妙薬     by晴ちゃん


終南山玉柱洞。

おなじみ、変人の異名を持つ雲中子の洞府である。

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「ねぇ、太乙。この『不思議な林檎』食べないかい?」

太乙が洞府の中に入ってくるなり雲中子はその“不思議な林檎”を太乙の前へ出した。

答えは無論。

「嫌」

即答であった。

雲中子はその返答に傷つく事も無く、(というより慣れている)そのまま太乙を部屋へ
招き入れた。

太乙も慣れているので何も無かったように洞府の奥へと足を運んだ。

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雲中子の洞府の中は殺風景だ。

というより、雲中子は実験器具以外に物をあまり置かない。

太乙はこの雰囲気が好きだった。

だから、この終南山までわざわざ足を運んでいるのだ。

来る回数を重ねるうちに、雲中子と太乙は親友となり、体を重ねるようにもなっていた。

「ね、雲中子もお茶飲む?」

「飲む」

先ほどから、雲中子は奥の方で何かをごそごそとやっている。

なぜ客人の太乙がお茶を入れるのかというと、雲中子に入れさせると必ずといっていいほど
何か薬を入れるのだ。

そうなると後始末もしなくてはならないし、薬の効果が得体の知れないものだから太乙も
自分で入れるようにしている。

太乙は慣れた手つきで二人分の湯呑を出し、お茶を入れた。

片手に持っている盆に二つのお茶を置き、器用に机の方へと向かっていった。

「雲中子、ここにお茶置いとくよ」

返事は無い。よほど熱中しているのだろう。

太乙はいつもの事だけどね、と心の中で言った。

「お茶、冷めちゃうけどなあ・・・・・・」

そういうと、土産として持ってきた桃をついばみながら、お茶を
飲み始めたのだった・・・・・・・

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机の上には冷めたお茶と空っぽの湯呑。

皿の上には桃が二つ三つと乗っている。

・・・・・・・太乙はというと、お腹がいっぱいになったのか、ソファで堂々と寝ている。

まるで、雲中子のものを自分のもののように。

やがて雲中子が研究室から出てきた。

太乙の姿をソファに確認すると、何かを思いついたのかにやりと笑って自分の湯呑を持ち、
太乙の方へと近寄った。

そして、何かの薬のビンをを白衣のポケットからだし、ビンの蓋を開けた。

薬をビンの中から一粒だし、自分の口に含む。

そしてお茶も口に含み、寝ている太乙へと口移しした。

「・・・・・・・・」

太乙が完全に嚥下したのを確認すると、残りのお茶を飲み干した。

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「ふあ〜・・・・・・・・・良く寝た・・・・・・・あ?」

心なしか、自分の声が少し高いような気がする。

びっくりした太乙がソファから飛び起き、のどに手を当てもう一度声を出してみた。

「あー・・・・・・・・あー・・・・・・・」

やはり高い。しかし変わったのはそれだけでは無かった。

「胸が・・・・・・・ある」

その瞬間太乙は雲中子を探しに消えていた。

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「雲中子ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

ガタン!と景気の良い音を立てながら雲中子の研究室の部屋を開けた。

「何?」

雲中子は突然の来襲も気にせずに、いつもの飄々とした雰囲気を纏っている。

そのいつもの雰囲気を崩さないでいる雲中子にますます腹をたてた太乙は大声でまくし立てた。

「何?、じゃ無いよ!!なんなんだよ!!この体はぁぁぁぁぁぁあああ!!」

雲中子を探すために走り回り、大声を出しすぎて疲れたのか、肩で息をしている。

「あ、薬が効きはじめたみたいだねぇ」

雲中子は、前と変わらず何かと何かの薬を調合している。

太乙は、その言葉と雰囲気に毒され、へなへなとその場に座りだしてしまった。

何せ、自分は男のはずなのに胸もあるしいつもついていたものがない。

「・・・・・・何の薬飲ませたのさ・・・・・・」

そんなこと聞かなくても分かっている。

しかし、こういうときには意味の無い事でも聞いてしまうのだ。

雲中子は太乙の予想通りに、

「性転換の薬、改訂版」

「・・・・・・・・・・・」

性転換の薬はいいとして、改訂版の部分は聞かなかったことにした。

「・・・・・薬の効果はぁ・・・・・?」

もうすでに涙声になっている。

「3〜4日」

3、4日雲中子以外誰にも会ってはいけないと思うと太乙は頭の芯がぐらり、
と揺らぐのを感じた。

雲中子はタイミングよく、太乙の体を支える。

そのまま、太乙を抱きかかえ自室の方へと向かった。

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太乙をベットへ寝かし、しばらく何かを考えていると急に太乙の服を脱がせ始めた。

服を脱がされ、ひんやりとした外気に当てられ意識のはっとした太乙はもちろん抵抗する。

「ちょ・・・・っ!雲中子・・・っ」

やめて、と腕を押し返すが、もともと雲中子の方が腕力は強いし、

仮に同じくらいだったとしても女になっているので力は出ない。

よって、あっという間に太乙は全裸にされていった。

太乙は、恥かしいのか赤面しながら胸と秘所を手で隠している。

「何するのさっ・・・!」

雲中子の方をキッ!と睨むが、雲中子は太乙の体を見ている。

太乙の睨みは効かなかったようだ。

「ちょっと実験をね・・・・・・・」

「実験??」

雲中子の気配に嫌なものを感じた太乙は慌ててシーツを持ち、逃げようとするが無駄。

雲中子にすぐに捕まり腕を抑えられ壁にダン!と押し付けられてしまった。

「ちょ・・・・じ、冗談でしょ?」

太乙の言葉を無視し、雲中子が耳元で囁くように言う。

「私の実験の意味がわかったかい?」

「・・・・・・・っ!」

雲中子に耳元で囁かれた途端、太乙の体はビクッと、震えた。

耳は太乙の弱点。雲中子はそれを知っていて、太乙の反応を楽しんでいる。

更に、耳たぶを甘く噛みながらさらに雲中子が囁いてくる。

「ねぇ・・・?太乙。女性の体って、男よりも10倍感度がいいんだって・・・・・・」

「・・・・あっ・・・・・・」

太乙は、自分がこんな事で声を出したのに驚く。

しかし驚くよりも戸惑いの方が太乙の中では大きかった。

そう考えているうちに今度は胸の方に愛撫が移る。

「・・ぁ・・ん・・」

先端に触るか、触らないか。微妙な感覚の愛撫に太乙はだんだん膝の力が抜けていくのを
感じた。

膝に力の入らない太乙は、その場に座り込んでしまった。

「何?もう膝の力が入らないほどに感じちゃってるの?」

「〜〜〜〜////ばか・・・ぁ・・・・」

もうすでに涙目である。

雲中子はやれやれといった様子で、太乙をベットの方に運んだ。

ドサっ!という音を立てて、太乙がベットに落ちる。

太乙はもう我慢できないという感じで、両手を雲中子の方に伸ばしながら雲中子を求めている。

「君って、淫乱だったんだねぇ」

といいながら、もうすでに硬くなった太乙の乳首をぎゅっとつまむ。

「あんっ!!」

こんな淫らに喘いで、こんなことされて気持ちよくなるなんて。

そんな気持ちが太乙をますます興奮させた。

「太乙って・・・・マゾだったんだねぇ」

と、引き続き胸の愛撫を再開した。

雲中子は中々触ってくれない。

あの熱くて仕方が無い場所を。

雲中子は、太乙が言うのを待っているかのように胸の方しか弄んでくれない。

「あ・・・はんっ!・・・雲中子ぃ・・・・・」

顔を上げ、にやにや笑いながら太乙の方を見る。

太乙が言うのを待っているかのように。

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わかってるはずなのに。

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私の、一番淫乱な場所。
触って欲しくて仕方が無い場所。
熱くて熱くて仕方が無い場所。
雲中子のが欲しくて淫らにヒクヒク言ってる場所・・・・・・

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そのとき、太乙の中で何かが弾けた。

「・・・触ってぇ・・・・!」

「どこを?」

雲中子は意地悪く聞き返す。

しかし、太乙にはもう羞恥など無かった。

『ただ、快感を追い求める』これだけしかなかった。

「・・・私の・・・アソコ・・・・・・熱くて仕方が無い、アソコ・・・・・」

「良く出来ました」

雲中子はそういうと、するりと太乙の足の間に入った。

そして、重く蜜を吸った下着を脱がせ、熱い太乙の秘所に指を一本入れた。

「あああっ!!」

太乙の全身に快感の波が走り、たったそれだけで太乙はイってしまった。

生理現象で涙を流し、息を荒くしながらベットに横たわっている太乙。

「あれ?もうイっちゃったのかい?元はなんであろうと一応処女なのにねぇ・・・・」

雲中子の言葉に太乙は赤面する。

そのとき、不意に雲中子が口元だけ笑った。

どこか嫌な予感を太乙は感じた。長い付き合いの中のカンで。

そして、その嫌な予感はすぐに的中した。

「・・・どう・・したの?」

「君だけ楽しんで、私が楽しまないなんて不公平だろ?」

「え゛っ・・・・・・・?」

雲中子はそれだけ言うと、太乙に口付けた。

「・・・・っん・・・・・・」

そのキスは、かなり長いキスだった。

その接吻に、太乙は再び体が熱くなっていくのを感じた。

雲中子は思う存分太乙の口内を味わい、やっと口を離す。

糸を引いている唾液がぷつんと切れる。

「・・・・はあっ・・・・」

「どう?またヤりたくなった?」

「〜〜〜〜バカ・・・・・・」

雲中子は太乙の足を持った。

丁度、太乙の足を担ぐような格好だ。

間一髪入れず、太乙の秘所に自分の昂ぶりを挿れた。

「ひ・・・・あああっ!」

急の事でと、初めての挿入に太乙は痛みを感じた。

しかし、それはすぐに快感に変わり、太乙の全身を駆け巡っていった。
「雲中子・・・っもう・・・・・ダメぇっ・・・・・!!」

何度も抜差を繰り返していると、快感の波に翻弄され、乱れている太乙が叫ぶ。

叫ぶと同時に、太乙の子宮内が激しく収縮した。

「・・・・・・・っ・・たいい・・つっ」

同時に、雲中子も太乙の中に自分の精を迸らせた。

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次の朝。

寝台には二人の男女が居た。

男は女を起こさないよう、愛おしそうに撫でている。

女は疲労のためか寝台で男に見守られながら熟睡している。

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あと3日。太乙は苦労しそう・・・・・だ。

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・作者コメント・
ヤってるだけ(爆死)
てんさん、許して(涙)
押し付けちゃってゴメンナサイ。へぼくてゴメンナサイ。
繋がってなくてゴメンナサイ。ああ、もうホントゴメンナサイ(涙)
でもさー。12ページ逝ったときはさすがに驚いたよ。
これ、UPするのすっごく躊躇いました。(だって中途半端だし。)

・管理人コメント・
これ読んで彼女の年を知ったらホント驚きますよ。(笑)
うちは18禁少ないから(というか俺が書けないから)うれしくて何よりっす。
この小説の成り立ち、実は知ってるんですよぉ。いっしょにお話してたから。
女体話でもりあがって(笑)女体太乙送ったら今度女体小説送ってくれると
いうメッセージがありまして・・・らっきー*
はっ!誤らなければ・・!
はるちゃんごめん!!長い間独り占めしてて。(笑)

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